導入の背景 |
顧客の約1/3が外国人でありながら、 |
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導入の決め手 | 未来型のツールに加え有人サポートに特化しており、 現場スタッフの安心感に繋がった。 |
導入後の効果 |
通常のフロント対応はもちろんのこと、 |
導入の背景は「多言語対応」でした。コロナ禍において、訪日外国人数は減少していたものの、昨年10月に個人旅行が再開されて以降、増加し続けています。
日本人のお客様がメインの当ホテルであっても、年間通じて2,3割は海外のお客様でした。そういった状況の中で、「果たしてスタッフは多言語対応が可能なのか?」という観点で見た時、英語であればある程度は今いるスタッフで対応可能でした。ただ、中国や韓国からのお客様は母国語しか話せないことも多く、対応が上手くできないことも多々ありました。
そして、人材という観点で見ると、英語も中国語も韓国語も堪能な人材を多数確保することは現実的に難しい状況です。現状、中国語や韓国語を話せる人材は、当ホテルのスタッフ約30人の中で5人しかいませんし、残りの25人はカタコトで対応せざるを得ない状況でした。日々のチェックイン等の業務は決まったフレーズなので覚えられるのですが、イレギュラー対応になると、やはり困ってしまうという状況が課題でした。
それでも若い世代のスタッフの場合は、無料の翻訳ツール等を利用していたのを目にしていたので、そういったツールを常設しようと検討していたところ、「透明ディスプレイ」というものを見つけ、ちょうど良いなと思ったのが最初のきっかけでした。
透明ディスプレイは、目線をお客様に向けたまま対応できるのが良かったです。そしてなんといってもアイキャッチになることです。透明ディスプレイがあることで、多言語対応しているというアピールに繋がりますし、フロント全体が洗練された雰囲気に変わりました。
さらに、他の複数のサービスと比較検討した上で、KOTOBALの導入に至った決め手は「オペレーターによる有人対応もあった」からです。
コロナが収束して、また海外からのお客様が増えるに従って、「怪我をした」「コロナにかかってしまった」「火災報知器を間違えて押してしまった」等の緊急対応の件数が増えていました。そういった状況での説明は内容が複雑で、且つ決まりきったフレーズを話す場面でないことが多いです。さらにスタッフからの声として「そういった対応が怖い」といった声も上がっていました。
オペレーターによる有人対応もあることで、お客様に対する対面サービスの向上はもちろんのこと、スタッフにも優しい環境作りを実現するためにKOTOBALは適していると考え、導入を決めました。
ホテルはお客様の命を預かっているので、有事の際に時間も限られている中で、初動対応を間違えてしまうと大変なことになってしまいます。
目の前で体調が悪い人がいて、一刻を争う中で一問一答でその方と言葉を交わすことが難しいとが想定されます。具体的に目の前にお腹が痛い人がいて、「今にもおかしくなりそう」と言われた際に、オペレーターによる有人対応があれば、「どういう痛みなのか」「いつから痛いのか」など、まとめて聞くことができるので、早い初動対応が可能なります。
実際に、KOTOBAL導入後にホテル内で体調が悪くなってしまったタイ人のお客様がいらっしゃったのですが、オペレーターに繋いで初動対応をしっかりできたことで、救急車を呼んだ後に救急隊員の方への状況説明もスムーズに行えました。
今後のホテルのサービスのあり方を、自分なりに整理して決裁を通しました。
お客様対応に関しては、言語の壁を感じないようにする。それはスタッフ側もそうだし、お客様側もそう。これが理想的な形かなと思っています。
多言語対応をスタッフができて初めてホスピタリティなんだという考え方がホテル業界にあると思うのですが、「過不足なく、正確に自分の伝えたいことが伝わる」、そちらの方がニーズがあるかなと思っています。もちろん多言語対応できるに越したことはないんですが、そういうツールがあって、お客様もちゃんと選べて使えるというのが、居心地の良さにつながると考えております。
トライアル導入当初は、導入に否定的なスタッフも事実いましたね。ただ、最初からいきなり全員が使い出すっていうのはありえないと思っていました。だからとにかく「やり始めないと」と。友達に勧められて使い始めるように、誰かが使い始めて徐々に利用率が上がるものなので。だから、積極的に使ってもらうキーマンとなるスタッフを置きました。