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愛知県豊橋市 多文化共生・国際課 さま
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導入事例
愛知県豊橋市 多文化共生・国際課 さま
最大の収穫は「職員自ら外国人市民に対応する姿勢」。
『KOTOBAL』を多文化共生施策のツールに
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愛知県 豊橋市役所 多文化共生・国際課
担当者名:
市民協創部 多文化共生・国際課 多文化共生グループ
横田 敦史 様 (取材当時)
業種:自治体
職員数 : 3,887人(令和5年4月1日現在)
愛知県豊橋市には、総人口のうち約5.7%にあたる2万922人、約80か国の外国人市民が暮らしています(2024年3月1日時点)。なかでも第1位を占めるブラジル人は約8,800人にのぼり、ポルトガル語への対応は長年の課題でした。そこで同市では約40人もの通訳者を配置するという充実した通訳体制を敷いてきましたが、コロナ禍をきっかけに「通訳に頼り切るのではなく、職員自身も積極的に外国人市民とコミュニケーションをとる」方針に転換。2022年に多言語通訳サービス『KOTOBAL』を導入することで、多様な外国人市民へのサービスを強化し、職員の多文化共生への意識を高めることに成功しました。
導入の目的
コロナ禍に際しての適切な外国人市民対応と、通訳に頼らない職員自身による対応力の向上
多国籍化が進むなかでの希少言語への対応
導入前の課題
コロナ禍にともない、通訳スタッフへの負担が増加していた
職員自身が通訳に頼らず外国人市民の対応ができるしくみを模索していた
通訳が対応できない言語(ポルトガル語、タガログ語、スペイン語、英語以外)に苦慮していた
導入後の効果
『KOTOBAL』を使った職員自身による外国人市民対応が強化され、通訳スタッフへの出動要請が減少した
通訳者だけに頼らない
職員主体の外国人市民対応を目指して
――豊橋市の現在の外国人市民の比率を教えてください。
横田 様
豊橋市の人口は2024年3月1日時点で37万人弱、そのうち外国人市民が2万922人を占めています。総人口の5.7%にあたる割合ですね。国籍別の比率でいうと、1位のブラジル人が約8,800人、2位のフィリピン人が約4,800人、3位のベトナム人が約1,600人。これに中国、韓国・朝鮮、インドネシア籍が続きます。
――外国人市民に対応するための通訳体制はどのようなものですか?
横田 様
現在は約40人の通訳者が在籍しており、およそ半数は小中学校に配置しています。豊橋市では通訳を多く配置することによって多文化共生を強く推進してきた歴史があるのです。対応言語としてはブラジル人が主に使用するポルトガル語が最も多く、そのほかにはタガログ語、スペイン語、英語などにも対応しています。ただし近年はブラジル人比率が減少し、ベトナム人など東南アジア系の住民が増加してきました。今後はポルトガル語に偏らず、全言語に対応する姿勢が必要だと考えています。
――豊橋市では2022年4月から『KOTOBAL』を導入されています。導入前の課題はどのようなものでしたか?
横田 様
私は『KOTOBAL』を導入する1年前に多文化共生グループに異動してきました。コロナ禍の真っただなかで、ワクチン接種がいよいよ始まるくらいの時期でした。人との接触を減らさなければならないなか、外国人市民対応においては、どうしても相談者と担当職員と通訳という三者がその場にいないと成立しません。
我々職員だけ安全な場所にいて、外国人市民や通訳者を危険な状態に置くわけにはいかないと考えたことが、AI翻訳サービスを検討した直接のきっかけ
です。しかし、コロナ禍はあくまできっかけであり、本質的に
多言語対応を見直すべき時期が来ていた
のだと私は考えています。
――コロナ禍への対応以外に、どのような課題があったのでしょうか。
横田 様
近年の豊橋市ではブラジル人以外の外国人市民の割合が高まっており、現在は約80か国の方がお住まいです。しかし、全外国人市民の言語に対応できるよう通訳者を配置することは、コストや採用難易度が高く、現実的ではありません。一方で、
「人数の少ない国籍の市民に対しては、サービスが不十分であっても仕方がない」という考え方は、多文化共生を目指す上で本来あってはならない
ものです。すべての外国人市民に公平なサービスを提供するためには、通訳者だけに頼らずIT機器を活用することが必須でした。
もう一つの課題は、豊橋市では通訳者の配置が充実していたため、
職員が通訳に頼り切ってしまう傾向が強かった
ことです。通訳者を介した会話では、職員が外国人市民と直接向き合うスキルを磨きにくい。外国人市民を念頭に置いた事業立案を推進するためにも、職員全体の「多文化共生スキル」を底上げする必要がありました。ITツールを使った会話であれば、職員が直接外国人市民と向き合いやすいという狙いがあったわけです。
――『KOTOBAL』を選ばれた決め手を教えてください。
横田 様
実は『KOTOBAL』導入前にもAI翻訳ツールは使用していたのですが、行政用語に対する翻訳精度の低さや操作性がネックになり、現場では十分に活用されていませんでした。『KOTOBAL』導入の決め手になったのは、
AI翻訳の精度が高いことに加え、遠隔の通訳者によるオンライン通訳も同じ機器で利用できること
です。充実した通訳体制に慣れた職員も、オンライン通訳があれば安心して使えるだろうと考えました。
コロナワクチン接種や
マイナポイント対応もスムーズに
――現在、豊橋市では『KOTOBAL』をどのような場面で活用されていますか?
横田 様
現在『KOTOBAL』を1台導入しており、各部署の要望を受けて多文化共生・国際課から貸出すというフローをとっています。『KOTOBAL』には大きく三つの用途があると分析しています。一つ目は、通訳者が対応できない言語を使用される外国人市民がいらっしゃったときの
翻訳ツールとして使用
すること。二つ目は、通訳者が別の現場に派遣されているときの
サブオプションとして使用
すること。三つ目は、外国人市民のご自宅を訪問するが、市民に会えるかどうかわからないため
通訳者を同行させにくい場合
です。
――『KOTOBAL』を導入されてからの成果についてはいかがでしょうか。
横田 様
まず、コロナのワクチン接種の受付については相談件数が激増し、予想通り通訳者だけでの対応が難しくなりました。職員も積極的に窓口で外国人市民対応をするなかで、『KOTOBAL』は大変心強い存在でした。また、最近ではマイナポイントの申請や問い合わせを役所内で受け付けていたため、相当数の外国人市民に対応することになりました。
通訳者だけでは手が足りないことが想定されたため、担当部署に『KOTOBAL』を預けたところ、たくさん利用してもらえました。
――『KOTOBAL』の活用にあたって、コニカミノルタからどのようなサポートがありましたか?
横田 様
導入初年度に、
「やさしい日本語」の専門家によるセミナーを職員向けに開催
していただきました。「やさしい日本語」というのは日本語に不慣れな外国人市民にも伝わりやすい平易な日本語のことであり、外国人市民対応に役立つことはもちろん、『KOTOBAL』の利用にも役立ちます。というのも、平易な言い回しで話すほど『KOTOBAL』のAI翻訳の精度も高まるからです。
このレクチャーのおかげもあって、現場での『KOTOBAL』活用も徐々に広がっています。
それに加え、職員が「やさしい日本語」をマスターすれば、職員自らが外国人市民に対応するスキルもアップします。豊橋市では今「やさしい日本語」の職員への普及を強化しているのですが、ここには
「『KOTOBAL』の有効活用」と「職員の多文化共生スキルの向上」という一石二鳥の効果
があると考えています。
『KOTOBAL』をツールに
国籍にかかわらず誰もが活躍できるまちづくり
――『KOTOBAL』導入を振り返ってみての、横田様の率直なご感想をお聞かせください。
横田 様
『KOTOBAL』導入前の豊橋市では、通訳者が対応できる言語がメジャーな言語に限られ、希少言語には対応できていないという現状がありました。私はこのことに後ろめたい気持ちがあったのですが、導入当時は31言語(2024年4月現在は32言語)に対応できる『KOTOBAL』を導入したことで
対応言語が一気に増え、豊橋市としての誠意を外国人市民へ真摯に示せるようになった
と感じています。
また、最初は思ったほど『KOTOBAL』の利用率が伸びなかったのですが、これは
職員のなかで「外国人市民対応は通訳者に頼る」という固定概念が強かった
ためでしょう。職員の意識を変えていくのには時間もパワーもかかりますが、外国人市民が増え続ける現状を踏まえると、課題に取り組むのは早いほうが良いです。豊橋市が真の多文化共生を実現していく上で、今後も『KOTOBAL』が強力なツールとして活躍してくれることに期待しています。
――豊橋市が目指す多文化共生の実現に向けて、『KOTOBAL』をどのように活用していきたいとお考えですか?
横田 様
異文化コミュニケーションを妨げる最も高い壁が言語であるとしたら、根本的な解決は「外国人市民への日本語教育」です。全外国人市民に日本語を学んでいただくシステムを用意することが、私の考える究極の目標です。とはいえ、完全な日本語教育システムは一朝一夕で構築できるものではありませんし、まずは今、困っている外国人市民を支えなければならない。こうした課題への解決方法として、『KOTOBAL』や「やさしい日本語によるコミュニケーション」があるわけです。
多文化共生を実現するためにはさまざまなツールを組み合わせていく必要があり、その一つとして『KOTOBAL』は欠かせない存在
です。事実、『KOTOBAL』が加わったことで豊橋市における多文化共生の全体像が見渡せるようになり、市として考えるべきこと、取り組むべきことが明らかになってきました。そういう意味で、『KOTOBAL』は多文化共生施策において非常に大事なきっかけを与えてくれたと考えています。
――ありがとうございました。
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