滋賀県彦根市役所 人権政策課 多文化共生係様
導入事例

KOTOBALは外国人住民に正しく行政サービスを届けるカギ

滋賀県彦根市役所 人権政策課 多文化共生係

担当者名:課長補佐兼係長 佐伯 祐子 様
業種:公共・組合
職員数:789人
琵琶湖の東岸部、京都と名古屋の中間点に位置する彦根市。地域には大規模な工場が点在し、外国人労働者が増加傾向にあります。そこで、同市では日本人と外国人の共生を目指す「多文化共生推進プラン」を策定。主な施策のひとつとして、市役所に外国人住民向け総合相談窓口を設置し、通訳機能の拡充のため多言語通訳サービス『KOTOBAL』を導入しました。
こうした対応を外国人住民に周知すると、窓口利用者が増加。正しく行政サービスを提供することに繋がっています。
導入の目的 市内在住の外国人に対する相談窓口の開設
導入前の課題 外国人住民が増加しており、通訳支援を充実させる必要があった
導入後の効果

行政サービスを正しく伝達できるようになった

「多文化共生推進プラン」に基づき事業を実施

――佐伯様の業務内容について教えてください。

人権政策課の課長補佐として、主に「彦根市パートナーシップ宣誓制度」の導入を通じて人権啓発業務に関わるとともに、多文化共生係の係長として「多文化共生推進プラン」に基づき、業務を行っており、市役所の各課において、それぞれが推進プランに取り組んでもらうことのバックアップや、当該施策が当事者である外国人住民の方のニーズに合っているかどうかをモニタリングする会議の運営なども担当しています。

――「多文化共生推進プラン」の内容について教えてください。

日本人住民と外国人住民が「ともにいきいきと暮らせるまち ひこね」を目指し、「市民一人ひとりがお互いの立場や文化的背景を認め、対等な関係で支え合う地域づくり」を目的にしています。このプランは、情報の多言語化や日本社会についての学習機会を提供するといったコミュニケーション支援、安心して生活するための環境づくり、多文化共生に関する啓発活動や自治会等の地域活動に関する情報を必要に応じて多言語翻訳するといった多文化共生の地域づくりを柱としています。その取り組みの一環として、外国人住民に等しく必要な行政サービスを提供すべく、令和3年度から市役所に外国人住民向けの一元的な総合相談窓口を設置しています。

――外国人住民の現状について教えてください。

令和5年3月末時点で約3,300人が暮らしています。一番多いのは3分の1を占める1,000人強のベトナム人で、次は500人超のブラジル人、500人弱の中国人、後はフィリピン人、韓国人と続きます。市内および近隣の市には自動車関連や食品などの工場が多くあり、元々ブラジルと中国の方が多かったのですが、技能実習生などの来日によりベトナムの方が急増しています。
こうした外国人住民への対応として、総合相談窓口に会計年度任用職員のポルトガル語通訳2名と英語通訳11名が常勤しているほか、中国語通訳とベトナム語通訳がそれぞれ月10日勤務しています。

対応時間と行政用語に強いなどの要因で『KOTOBAL』を選定

――そこに『KOTOBAL』を導入された経緯とは?

総合相談窓口を設置する前、多文化共生係の窓口ではほかの翻訳ツールを用いて対応していたのですが、行政用語に対応できない部分があり、込み入った相談などに窮することがあったのです。ほかに良いツールはないかネットを調べたり別の自治体に聞いたりして探していたとき時に、『KOTOBAL』はじめ6つほど通訳ツールが見つかりました。ちょうどそんなとき時に、令和3年度から国による「外国人受入環境整備交付金」が交付されることになったのです。そこで、これを利用して通訳ツールを導入することにしました。

――『KOTOBAL』を選定された要因を教えてください。

6ツールを比較検討しましたが、最も重視したのはビデオ通訳サービスの対応時間でした。総合相談窓口の業務時間は8時30分から17時15分までですが、実際は17時15分に終わらず何十分か相談対応が延びることがよくあります。これに対して、『KOTOBAL』は18時まで対応してくれるという点が大きかったです。行政用語に強いこと、およびAI翻訳は逆翻訳機能があって、翻訳内容が正しいかどうか検証できる点も好材料でした。

――『KOTOBAL』導入後はどういった対応をされたのでしょうか?

総合相談窓口を開設したことについて、市内在住の外国人住民の方に封書で通知し、常勤や月10日勤務の通訳の存在、および『KOTOBAL』を導入した体制などについて説明しました。これによって、相談に来られる外国人住民の方が令和3年度の3,500件弱から令和4年度の4,000件強まで増えています。令和5年度は、現段階で1,200件強となっています。まずはこの利用者数の伸びが大きな導入効果であると受け止めています。


市役所からの通知を翻訳

――『KOTOBAL』の稼働状況はいかがでしょうか?

『KOTOBAL』は2台を本庁舎と別館のそれぞれ総合相談窓口に導入しました。まずは通訳者の職員が相談対応をしていますが、その相談中に別の外国人住民の方が来られたときや通訳者の不在時に『KOTOBAL』を使っています。一番多いのは、やはり最多数のベトナム人の方への対応ですね。

――『KOTOBAL』の利用事例として印象的なシーンはありましたか?

あるインド人住民の方が、市役所から送った通知などの封書をたくさん持参して来られたのです。その方は日本語を読むことができず、何が書かれているのかさっぱりわからなかったということでした。そこに総合相談窓口ができ、ヒンディー語にも対応すると知って封書を持ってこられたました。その方は複数の仕事に携わっていて、利用できる制度が複雑に絡んでいる状況でした。そこを、『KOTOBAL』のビデオ通訳者がわかりやすく整理してくださいました。これ以来、何か困ったことがあれば窓口に来るという流れができました。
また、通訳者がいない言語の場合、通訳ツールを使いながら単語を繋いで何とか伝わるように努力するといったことも少なからずありましたが、『KOTOBAL』導入後はダイレクトに正確な言語でコミュニケーションできるようになったことは非常に大きいと思っています。
――市役所のほかの部署で外国人住民に対応する場合はどうされているのでしょうか?

通訳者を置いている窓口もありますが、2023年8月現在、『KOTOBAL』は総合相談窓口の2台だけです。そこで、通訳対応できない言語の外国人住民の方が来られたときなどは、総合相談窓口に連絡が入るので、窓口スタッフが『KOTOBAL』を携えて対応に行っています。しかしながら、総合相談窓口で『KOTOBAL』が稼働中で断る場合もあるので、市役所として『KOTOBAL』の台数を増やすのも検討すべきかと考えています。



外国人住民の方から「アリガトウ」と喜ばれている

――外国人住民の方の受け止め方はいかがでしょうか?

総合相談窓口に来られた外国人住民の方にいちいち感想を聞くわけにもいきませんが、対応が終了した時にほぼ必ず「アリガトウ」と言って喜んでいただけています。恐らくご満足いただけているのではないかと思っています。

――外国人住民と日本人住民の共生を進める上で『KOTOBAL』を活用するケースはありますか?

一般的に、外国人住民を巡るトラブルで最も多いのが、ゴミの問題です。そこで、市役所からの発信は、地域のルールに沿ったゴミの捨て方マニュアルを翻訳して作成したり、さまざまな注意点を「生活ガイドブック」にまとめて配布したり、彦根市人権政策課多文化共生推進係としてFacebookに4言語と日本語でページを設けて発信しています。
外国人住民とは『KOTOBAL』を使って、双方向のコミュニケーションをとっています。
――では、今後の課題についてお聞かせください。

今後も、外国人住民の方とのコミュニケーションを円滑にして、誰ひとり取り残さずに行政サービスを行き渡らせることが市として大きな目標です。そのためには、窓口における制度などの説明を、難しい言葉を使わずにわかりやすく説明できる能力を職員一同が身につける必要があります。自ら外国語で話せなくても、『KOTOBAL』のAI翻訳でも十分に対応できているので、これを市役所全体に広めることができれば良いですね。

――ありがとうございました。

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