ホテルのフロントにおける接客英語のフレーズ。接客をスムーズに行う方法とは
コロナ禍に伴う水際措置が緩和されて以降、訪日外国人旅行者数は増加傾向にあります。観光庁が発表した『宿泊旅行統計調査』によると、2023年における年間の延べ宿泊者数(全体)は前年度と比較して31.6%増加しており、外国人の宿泊者数は592.8%と急増しています。
▼延べ宿泊者数における前年比の推移
画像引用元:国土交通省 観光庁『宿泊旅行統計調査』
インバウンド需要が拡大するなか、外国人旅行者の宿泊先となるホテルでは、フロントにいるスタッフとスムーズなコミュニケーションをとれるように英語による対応が求められています。
ホテルの支配人や現場管理者のなかには、「英語による接客でサービス品質を高めたい」「外国人旅行者の集客を促進したい」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ホテルのフロントで接客する際に用いる英語の基本的なフレーズや、接客をスムーズに行う方法について解説します。
なお、コニカミノルタではホテル・旅館向けに多言語対応充実度チェックリストを提供しています。詳しくはこちらの資料をご確認ください。
目次[非表示]
ホテルのフロントにおける接客英語のフレーズ
ホテルのフロント業務では、宿泊者のチェックイン・チェックアウトに加えて、外国人旅行者からの質問への回答やトラブル対応などを行います。ここからは、シーン別における接客英語のフレーズを紹介します。
チェックイン
チェックインでは、宿泊者への挨拶をしたあと予約内容の確認と部屋への案内を行います。
▼チェックインの際に使える接客英語のフレーズ
フロー |
接客英語のフレーズ |
1.挨拶 |
Hello.(こんにちは。) Good morning.(おはようございます。) Good afternoon.(こんにちは。) Good evening.(こんばんは。) |
2.要件の確認 |
Are you checking in?(チェックインでございますか?) |
3.宿泊者の確認 |
May I have your name?(お名前をおうかがいできますか?) |
4.予約内容の確認 |
You will stay with us for two nights.(2泊のご予定ですね。) |
5.宿泊用紙の記入依頼 |
Could you fill in this form?(こちらの用紙にご記入いただけますか?) |
6.部屋の案内 |
Here is your key.(こちらは部屋のカギになります。) |
7.挨拶 |
Enjoy your stay.(ご滞在をお楽しみください。) |
周辺案内
ホテルのフロントでは、宿泊者から周辺の施設やアクセス方法などについて聞かれるケースがあります。基本のフレーズを応用して、店舗の紹介や道案内ができるようにしておくことがポイントです。
▼【ケース1】駅や観光地への行き方を聞かれたとき
接客英語のフレーズ |
|
宿泊者 |
Excuse me, could you please tell me how to get to ○○?(すみません、○○への行き方を教えてもらえませんか?) |
スタッフ |
You can take bus 51 from the bus stop in front of the hotel.(ホテルの前にあるバス亭から51番のバスに乗って行けます。) The nearest station is about a 5-minute walk from here.(最寄り駅はここから歩いて5分ほどです。 |
宿泊者 |
How long does it take to get there?(そこに行くまでどれくらい時間がかかりますか?) |
スタッフ |
It takes around 20 minutes.(だいたい20分くらいかかります。) |
宿泊者 |
Alright.Thank you very much.(分かりました。ありがとうございます。) |
▼【ケース2】おすすめの飲食店を聞かれたとき
接客英語のフレーズ |
|
宿泊者 |
Do you know any good restaurant around here?(このあたりにある美味しいレストランを知っていますか?) |
スタッフ |
Yes. What kind of food would you like?(はい、どのような料理がよいですか?) |
宿泊者 |
I want to eat Sushi. I'm looking for somewhere with affordable prices.(寿司が食べたいです。手ごろな価格のところを探しています。) |
スタッフ |
There’s a sushi restaurant about a 10 minutes walk from the hotel. I recommend it.(ホテルから歩いて10分ほどのところにおすすめのレストランがあります。) |
宿泊者 |
Thank you very much.(ありがとうございます。) |
トラブル対応
宿泊中に客室の設備やサービスに関するトラブルがあり、フロントまで問い合わせが寄せられるケースがあります。よくあるトラブルの例と英語での対応方法を覚えておき、謝罪と迅速な対応ができるようにしておくことが重要です。
▼よくあるトラブルの例
- There are no ○○ in the room.(部屋に○○がありません。)
- The air conditioner is not working.(エアコンが故障しています。)
- I’ve locked myself out of the room.(部屋に鍵を置いたまま外出してしまいました。)
- The room is not clean.(部屋が汚れています。) など
▼トラブル対応の際に使える接客英語のフレーズ
ケース |
接客英語のフレーズ |
謝罪する |
We are very sorry for the inconvenience.(ご迷惑をおかけして申し訳ございません。) |
確認する |
We will check it for you.(確認します。) |
部屋を変更する |
We will find another room for you.(別の部屋をご用意いたします。) |
部屋まで向かう |
Our staff will be there soon.(スタッフがすぐに向かいます。) |
チェックアウト
チェックアウトでは、最後に宿泊者と接する機会となるほか、混み合う可能性があるため、丁寧かつスムーズな対応を心がける必要があります。
▼チェックアウトの際に使える接客英語のフレーズ
フロー |
接客英語のフレーズ |
1.要件の確認 |
Are you checking out?(チェックアウトでよろしいですか?) |
2.鍵の回収 |
May I have the key?(鍵をいただけますか?) |
3.支払い |
Please check your bill.(ご精算内容をご確認ください。) |
4.挨拶 |
Thank you for staying with us.(ご滞在ありがとうございました。) |
英語での接客をスムーズに行う方法
ホテルのフロントにおける接客は、外国人旅行者にとってサービスの品質や顧客体験を左右する重要な要素といえます。よい印象を持ってもらうとともに、認識の相違によるトラブルを防ぐために、英語でスムーズな接客ができる体制を整えることが重要です。
①スタッフへの教育を行う
フロント業務を担当するスタッフに接客英語の教育を実施する方法があります。
スタッフへの研修を実施したり、独学での勉強をサポートしたりすることで、英語に触れる機会を増やしてリスニング・スピーキングのスキルを高められます。
▼接客英語の教育方法
- 接客英語の外部研修に参加する
- 接客英語を学べる教材やアプリケーションを利用する
- 英会話スクールに参加する など
スタッフによる自発的な勉強を促すには、教材やアプリケーションの利用料、英会話スクールの費用などを企業が補助することも検討する必要があります。
ただし、接客英語は一朝一夕に習得できるものではありません。スタッフがモチベーションを持って継続的に取り組めるように、定期的なテストや目標の管理などを行うことが重要です。
②多言語通訳サービスを活用する
英語での接客をスムーズに行うために、多言語通訳サービスを活用することも有効です。多言語通訳サービスを活用すると、タブレットやスマートフォンで入力・選択した言葉を機械によって通訳したり、専門のオペレーターを介してビデオ通話を行ったりできます。
コニカミノルタは多言語通訳サービス『KOTOBAL(コトバル)』
を提供しています。KOTOBALは、AIによる機械翻訳とオペレーターとの個別対応によるハイブリッド通訳を行えるサービスです。
ホテルでの導入事例については、こちらで紹介しています。
ホテルのフロントで使う接客英語のまとめ
この記事では、以下の内容について解説しました。
- ホテルのフロントにおける接客英語のフレーズ
- 英語での接客をスムーズに行う方法
日本における外国人旅行者が増えるなか、ホテルでの英語対応は宿泊者の満足度を高めるために欠かせないものとなっています。フロント業務でよく使う接客英語のフレーズを覚えておくことで、外国人旅行者に対しても焦らずスムーズなコミュニケーションをとれるようになります。
接客英語の習得にはスタッフへの教育を行う必要がありますが、自然なコミュニケーションをとれるようになるには継続的なトレーニングが求められます。
多言語通訳サービスの 『KOTOBAL(コトバル)』は、英語を含む32カ国の言語に対応しています。タブレット1台でリアルタイムな音声翻訳を行うことができ、外国人旅行者への接客をスムーズに行えるようになります。
▼KOTOBAL(コトバル)の特徴
- 音声と一緒に翻訳されたテキストを透明ディスプレイに表示できる
- よく使う定型文を登録してフロントでの対応を効率的に行える
- 専門性の高い話題やトラブル発生時などは、専門のオペレーターによるビデオ通話でカバーできる
- 高齢者・障がい者向けの音声筆談・手話通訳に対応している など
また、多言語対応充実度チェックリストも提供しております。詳しくは、こちらの資料をご確認ください。