音声翻訳ツールでリアルタイムなコミュニケーションを実現! 選ぶ際のポイントとは
外国語でのコミュニケーションが求められる施設の窓口や会議、イベントなどでは、円滑な意思疎通を図るためにリアルタイムでの音声翻訳ができるツール(以下、音声翻訳ツール)が活用されています。
外国人旅行者が訪れる宿泊施設でも、言葉の壁によるコミュニケーションの不安やトラブルをなくすために、音声翻訳ツールを導入するケースが見られています。とくに、現在はインバウンド需要が拡大しているため、音声翻訳ツールはより注目を集めています。
ホテル・旅館を運営する支配人や現場管理者のなかには、「音声翻訳ツールでは具体的に何ができるのか」「導入する際に確認するポイントはあるか」など気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、音声翻訳ツールの仕組みや導入によって実現できること、選定する際に確認するポイントについて解説します。
なお、宿泊施設における多言語対応の手段についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
目次[非表示]
- 1.音声翻訳ツールとは
- 2.音声翻訳ツールで実現できること
- 3.音声翻訳ツールを選ぶ際に確認するポイント
- 3.1.➀対応言語の種類
- 3.2.②双方向による翻訳の可否
- 3.3.③コミュニケーションをサポートする機能の内容
- 4.音声翻訳ツールのまとめ
音声翻訳ツールとは
音声翻訳ツールとは、人の音声を読み取って外国語に翻訳するツールです。話したい内容を文章で入力することなく、音声認識とAIによる機械翻訳の技術によって翻訳ができることが特徴です。なかには、タッチ操作を必要とせずにハンズフリーで利用できる翻訳ツールもあります。
音声翻訳ツールは、音声入力の方法や翻訳した内容の表示方法などが製品によって異なります。
▼音声翻訳ツールの種類
音声入力の方法 |
翻訳内容の出力方法 |
|
種類 |
|
|
ホテル・旅館などの宿泊施設においては、外国人旅行者と主に窓口でのコミュニケーションを行うことから、対面での会話を翻訳して音声またはディスプレイへ字幕表示できるツールが適しています。
また、リアルタイムで翻訳できるツールであれば、会話のタイムラグを最小限に抑えられるため、円滑なコミュニケーションがとれるようになります。
音声翻訳ツールで実現できること
会話の内容をリアルタイムで翻訳できる音声翻訳ツールを導入すると、以下のような対応が可能になり、インバウンド需要への対応がより容易になります。
▼音声翻訳ツールで実現できること
外国語対応のスタッフや通訳がいなくても会話ができる
複数の言語に対応できる
365日24時間いつでも対応できる
音声翻訳ツールを導入すると、言語の違いからコミュニケーションが困難だった外国人との会話を円滑に行えるようになります。外国人の対応が頻繁に発生する窓口業務において、「言いたいことが伝わらない」「何を言っているのか分からない」といった言葉の壁をなくしてトラブルの防止を図れます。
また、話し手・聞き手の言語を複数から選択できるため、さまざまな言語の人が参加する会議や講演会、イベントなどにも参加することが可能です。
さらに、音声翻訳ツールはインターネット環境と端末があればいつでも利用できます。早朝・深夜での対応が発生する宿泊施設でも役立ちます。
これまで施設での窓口業務や会議などで外国語対応ができるスタッフまたは通訳を確保していた場合には、音声翻訳ツールへの切り替えによってコストの削減にもつながると期待できます。
音声翻訳ツールを選ぶ際に確認するポイント
音声翻訳ツールによって翻訳の精度や搭載された機能は異なります。どのような目的・場面で使用するかを踏まえて選ぶことが重要です。
➀対応言語の種類
翻訳可能な言語の種類について確認しておく必要があります。
英語や中国語などの主要な言語に加えて、複数の言語に対応した音声翻訳ツールを選ぶと幅広い外国人とのコミュニケーションに役立ちます。
ホテル・旅館などの宿泊施設では、どのような国籍(出身地)の外国人が多く宿泊しているかを確認することもポイントです。
国土交通省 観光庁がまとめた2023年度の『宿泊旅行統計調査』によると、国籍(出身地)別の外国人延べ宿泊者数は、以下となっています。
▼国籍(出身地)別 外国人延べ宿泊者数(2023年1~12月)
画像引用元:国土交通省 観光庁『宿泊旅行統計調査』
外国人宿泊者がもっとも多いのは韓国となっており、次いで台湾・中国・米国・香港という順番になっています。アジア圏が全体の60.9%、東アジア圏が47.4%を占めており、米国については13.0%となっています。
出典:国土交通省 観光庁『宿泊旅行統計調査』
②双方向による翻訳の可否
音声翻訳ツールを介して双方向のコミュニケーションを行いたい場合には、それぞれの言語で翻訳を行える機能が必要です。
▼双方向による翻訳のイメージ
話し手 |
翻訳の流れ |
Aさん |
日本語で質問した内容を英語に翻訳して再生・表示する |
Bさん |
英語で返答した内容を日本語に翻訳して再生・表示する |
例えば、ホテル・旅館の窓口でチェックイン・チェックアウトの対応を行ったり、複数人が同時に会議に参加して意見を交わしたりする際には、双方向で翻訳が可能なツールが適しています。
なお、ホテルのフロント業務に用いる接客英語のフレーズについては、こちらの記事で解説しています。
ホテルのフロントにおける接客英語のフレーズ。接客をスムーズに行う方法とは
③コミュニケーションをサポートする機能の内容
会話の内容を翻訳するだけでなく、コミュニケーションをサポートする機能があるかを確認しておくこともポイントです。
AIによる機械翻訳だけでは、意味や文脈、ニュアンスなどが正確に伝わらない可能性があります。会話の内容を補完する機能が備わったツールを選ぶと、意思疎通がうまくいかないときでもきめ細かな対応ができるようになります。
▼音声翻訳ツールにおけるサポート機能の例
- オペレーターによるビデオ通訳
- 高齢者・障がい者向けの音声筆談・手話通訳
- 同時翻訳テキストのディスプレイ表示 など
オペレーターによるビデオ通訳のサービスがあると、音声翻訳ツールを介したやり取りが難しい専門的な会話やトラブル時の対応などを任せられます。
モバイル端末を用いた音声筆談やオンラインでの手話通訳があると、コミュニケーションのバリアフリーを実現することが可能です。
また、双方向による会話の音声を同時に翻訳してテキストとして表示できる機能があると、音声再生だけの翻訳よりも意味を理解しやすくなると考えられます。
同時翻訳ディスプレイについてはこちらの記事をご確認ください。
音声翻訳ツールのまとめ
この記事では、以下の内容を解説しました。
- 音声翻訳ツールの仕組み
- 音声翻訳ツールで実現できること
- 音声翻訳ツールを選ぶ際に確認するポイント
会話の内容をリアルタイムで翻訳できる音声翻訳ツールを導入すると、外国人との円滑なコミュニケーションが可能になります。言語が異なる世界各国の人との会話をいつでも行えるため、窓口業務や会議、イベントなどに役立ちます。
ただし、音声翻訳ツールによって音声入力の方法や翻訳内容の表示方法が異なります。事前に翻訳の仕組みや対応言語、サポートの内容などを確認しておくことがポイントです。
なかでも外国人旅行者が訪れるホテル・旅館では、幅広い言語での対応かつ対面でのスムーズな意思疎通が求められます。AIによる機械翻訳に加えて、ビデオ通訳やディスプレイへのテキスト表示ができるツールが有効です。
『KOTOBAL(コトバル)』は、コニカミノルタが開発したハンズフリーの通訳サービスです。タブレット1台で最大32カ国の外国語を翻訳できるほか、音声筆談・手話通訳、透明ディスプレイへのテキスト表示などを行えます。これにより、外国語に対応できる人材の確保や従業員への教育にかかるコストを削減することが可能です。
また、発話者が変わるたびにボタンの操作やマイクの切り替えを行うことなく、ハンズフリーでリアルタイムな通訳を行えます。スムーズなコミュニケーションが可能になると、外国人旅行者の満足度向上につながると期待できます。
リアルタイムな通訳によって自然な会話ができる仕組みについては、こちらのページで詳しく紹介しております。
また、『KOTOBAL』の詳細についてはこちらの資料をご確認ください。
▼KOTOBAL(コトバル)の特徴
- 音声と一緒に翻訳されたテキストを透明ディスプレイに表示できる
- よく使う定型文を登録してフロントでの対応を効率的に行える
- 専門性の高い話題やトラブル発生時などは、専門のオペレーターによるビデオ通話でカバーできる
- 高齢者・障がい者向けの音声筆談・手話通訳に対応している など
また、多言語対応充実度チェックリストも提供しております。詳しくは、こちらの資料をご確認ください。