自治体のDX事例。デジタル技術を活用した地域活性化の方法とは
DXとは、データやデジタル技術を活用してビジネスモデルや企業文化の変革に取り組み、顧客目線での新たな価値を創出することです。
自治体においては、行政サービスのDX化によって住民の利便性向上につながると期待できます。また、自治体で行うさまざまな業務をDXによって効率化できると、人的資源を行政サービスの向上に向けて集中させやすくなると考えられます。
自治体の担当者のなかには、「自治体でのDX事例が知りたい」「デジタル技術をどのように地域活性化に活かせばよいのか」などとお悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、自治体DXについて、IT基盤の整備や人材確保、内部業務の効率化の観点から事例を解説します。
目次[非表示]
- 1.IT基盤の整備における自治体DXの事例
- 2.人材確保における自治体DXの事例
- 2.1.石川県金沢市の事例
- 2.2.広島県福山市の事例
- 2.3.茨城県つくば市の事例
- 3.内部業務の効率化における自治体DXの事例
- 3.1.神奈川県川崎市の事例
- 3.2.新潟県三条市の事例
- 3.3.愛知県豊橋市の事例
- 4.まとめ
IT基盤の整備における自治体DXの事例
自治体のDX化を円滑に進めるには、DX推進に向けた組織体制を整えてIT基盤を整備することが欠かせません。
愛媛県の事例
愛媛県では、2021年度に知事と全市町の首長による“県・市町DX協働宣言”を全国で初めて行い、併せて“愛媛県・市町DX推進会議”を設置しました。
愛媛県・市町DX推進会議では、県内自治体の現状把握や意見交換などを行って連携を促進することで、翌年2022年度より開始された高度デジタル人材シェアリング事業やデジタルデバイト対策事業の基盤を形成しました。
出典:総務省『自治体DX推進参考事例集』
福井県の事例
福井県では、外部のデジタル人材をDX推進監およびDX推進アドバイザーとして登用しました。DX推進監が県内の各市町を訪問して意見交換したり、視聴職員向けのセミナー・ワークショップなどを開催したりすることで、県全体でDXに取り組むための連携の強化を行っています。
これにより、業務のデジタル化にとどまらず、DXによる業務プロセスそのものの変革と新たな価値の創造を目指すための基盤が整備されたといえます。
出典:総務省『外部デジタル人材の確保ガイドブック』
兵庫県神戸市の事例
兵庫県神戸市では、DXによる業務効率化を含む働き方改革の実現に向けて、部局を横断した“働き方改革推進チーム”を組織しました。これにより、部局の壁を超えて迅速に対応できる体制を構築しました。
また、働き方改革推進チームでは、データに基づく効果測定と課題分析によって、市民サービスにおけるDXによる価値創出にも取り組んでいます。
出典:総務省『自治体DX推進参考事例集』
人材確保における自治体DXの事例
自治体のDX化を実現するには、デジタル人材を確保する必要があります。
石川県金沢市の事例
石川県金沢市では、2021年に管理職を含むすべての一般事務職員にデジタル研修を行い、さらにデジタル化推進の中心となる“デジタル行政推進リーダー”の育成を開始しました。
職員全体のデジタルリテラシーが向上することで、現場手動でのデジタルツールによる業務効率化が進んだほか、デジタルを活用した新規施策が見られるようになりました。
出典:総務省『自治体DX推進参考事例集』
広島県福山市の事例
広島県福山市では、外部のデジタル人材を最高デジタル責任者および補佐官として登用したうえで、市の職員に向けた研修を行う際の講師を務めてもらいました。
研修によって職員のDXへの意識を醸成するとともに、各部署において外部人材によるチームへの相談が行いやすい環境をつくることで、さまざまな分野におけるデジタル化事業の立案・改善につながりました。
出典:総務省『外部デジタル人材の確保ガイドブック』
茨城県つくば市の事例
茨城県つくば市では、実務職や管理職などの職層別に継続的なデータ利活用研修を行うことで、データリテラシーのある人材の育成を図りました。
実務職がデータ・ツールの利活用方法を学ぶだけでなく、管理職がデータ利活用の必要性・重要性を理解して実務職のバックアップを行えるようにすることで、庁内におけるデータ利活用を推進しています。
出典:総務省『自治体DX推進参考事例集』
内部業務の効率化における自治体DXの事例
自治体DXにおいては内部業務を効率化することで、市民サービスの向上も期待できるようになります。
神奈川県川崎市の事例
神奈川県川崎市では、これまで紙による申請を前提としていた窓口業務においてシステムを導入して、“書かない窓口”を実現しました。
インターネットによる事前入力や窓口でのタブレット入力などで申請を受け付けることで、紙からの転記によるデータ入力にかかる労力の削減に成功しています。また、窓口業務の各工程における業務時間を可視化して分析できるようになったため、業務の改善が図りやすくなりました。
出典:総務省『自治体DXの推進に向けた取組について』
新潟県三条市の事例
新潟県三条市では、庁内の全職員を対象にビジネスチャットツールを導入することで、業務連絡の効率化を図りました。
ビジネスチャットツールによって各課の速やかな連携が可能になったほか、ワクチン接種に関する医療機関との連携をスムーズに行える環境の構築にもつながりました。また、災害時の連絡ツールとしても活用が見込まれています。
出典:総務省『自治体DX推進参考事例集』
愛知県豊橋市の事例
愛知県豊橋市においては、市内人口の5.7%を占める外国人市民とのコミュニケーションを円滑に行うために、多言語通訳サービス『KOTOBAL(コトバル)』を導入しました。
豊橋市ではそれまで40人もの通訳スタッフを設置することで外国人市民に対応していましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って通訳スタッフの負担が大きくなったことを契機にKOTOBALの導入に踏み切りました。
KOTOBALを導入したことで、職員が自ら積極的に外国人市民とコミュニケーションを取れるようになったほか、通訳者の用意が難しかった言語についても対応できるようになりました。
なお、市役所における外国人対応についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
また、自治体向けの翻訳・通訳サービスの選び方については、以下の資料をご確認ください。
【自治体向け】翻訳・通訳サービスを選択する際のチェックリスト
まとめ
この記事では、自治体のDXについて以下の内容を解説しました
● IT基盤の整備における自治体DXの事例
● 人材確保における自治体DXの事例
● 内部業務の効率化における自治体DXの事例
自治体のDXにおいては、IT基盤の整備とデジタル人材の確保を行ったうえで、内部業務の効率化を進めることで、市民サービスの向上にもつながります。
『KOTOBAL(コトバル)』は、タブレット1台で最大32カ国の外国語をリアルタイムで通訳・翻訳できるサービスです。話し手が変わるたびにボタンの操作やマイクの切り替えをすることなく、透明ディスプレイを介してハンズフリーでのリアルタイムな通訳・翻訳を行えるため、スムーズなコミュニケーションを実現できます。
また、KOTOBALの『やさしい日本語AI音声翻訳サービス』では、日本語がネイティブではない方でも分かりやすい、簡単な日本語を使った文章に翻訳することが可能です。自治体の窓口において在留外国人への対応を行う際にもご活用いただけます。
KOTOBALの詳細については、こちらの資料からご確認できます。
多言語通訳サービスKOTOBAL
また、KOTOBALの自治体導入事例については、以下の資料をご確認ください。
ハイブリッド多言語通訳サービス『KOTOBAL』
KOTOBAL(コトバル)は、コニカミノルタが開発した通訳サービスです。
AI機械翻訳とオペレーターによるハイブリッド通訳で、最大32カ国の外国語対応と音声筆談・手話通訳を、タブレット1台で導入可能。
外国人だけでなく、高齢者・障がい者まで、自治体・ホテル・金融機関の窓口業務において、誰ひとり取り残さないコミュニケーションの実現をサポートします。