ホテル・旅館で取り入れたいインバウンド対策7選
宿泊業は、コロナ禍での外出自粛や水際対策の影響による観光需要の落ち込みによって厳しい状況に置かれていました。しかし近年では、訪日外国人旅行者数が増加の一途をたどっており、外国人の延べ宿泊者数についてもコロナ禍前を上回る水準まで回復しています。
▼外国人延べ宿泊者数の推移
画像引用元:国土交通省『観光の現状について』
外国人旅行者による宿泊需要が高まるなか、ホテル・旅館がより多くの宿泊客を獲得していくためには、インバウンド対策に力を入れることが重要です。
この記事では、ホテル・旅館でインバウンド対策が必要とされる理由や取り入れたい施策について解説します。
目次[非表示]
- 1.ホテル・旅館でのインバウンド対策が必要とされる理由
- 2.ホテル・旅館で取り入れたいインバウンド対策7選
- 2.1.➀地域の観光情報を発信する
- 2.2.②外国人宿泊者向けプランの導入
- 2.3.③WebサイトやSNSの強化
- 2.4. ④キャッシュレス決済システムの導入
- 2.5.⑤宿泊予約サイトの見直し
- 2.6.⑥無料Wi-Fiの設置
- 2.7.⑦フロントや案内書類の多言語対応
- 3.まとめ
ホテル・旅館でのインバウンド対策が必要とされる理由
ホテル・旅館のインバウンド対策が必要とされる理由には、以下が挙げられます。
▼インバウンド対策が必要とされる理由
● 新規の宿泊客やリピーターを増やす
● 宿泊客の満足度向上につなげる
● ブランドイメージを高める など
訪日外国人旅行者に配慮した施設環境やサービスを提供すると、安心かつ快適な滞在ができるホテル・旅館としてアピールすることが可能です。魅力的な宿泊体験によって近隣にある宿泊施設との差別化につながり、より多くの宿泊客を獲得できる可能性が期待できます。
また、きめ細かなサービスで宿泊客の満足度を高められると、よい評価や口コミが世界へ拡散されます。その結果、ブランドイメージの向上やリピーターの獲得につながることが期待されます。
ホテル・旅館で取り入れたいインバウンド対策7選
インバウンド対策に取り組む際は、ホテル・旅館の魅力を広く発信するとともに、快適かつ特別な宿泊体験を提供できるサービスを用意して付加価値を高めることがポイントです。
➀地域の観光情報を発信する
公式WebサイトやSNSアカウントなどを通じて、地域の観光情報を発信する方法です。訪れたい目的地(観光地)を基準に宿泊施設を探している外国人旅行者に、自社のホテル・旅館を選んでもらえるきっかけとなることが期待できます。
▼発信する観光情報の例
● 近隣または公共交通機関でアクセスしやすい観光スポット
● 日本の文化を体験できる施設
● お土産を購入できるショップ
● 日本食を楽しめる飲食店 など
②外国人宿泊者向けプランの導入
滞在中の宿泊体験を向上させるために、外国人宿泊者を対象としたさまざまなプランを用意する方法があります。
国土交通省の『訪日外国人の消費動向 2024年4-6月期 報告書』によると、日本での滞在中に行ったこととして以下の内容が上位に挙げられています。
▼日本の滞在中に行ったこと(上位5項目)
行ったこと |
選択率(全国籍・地域) |
日本食を食べる |
98.1% |
ショッピング |
85.7% |
繁華街の街歩き |
78.3% |
自然・景勝地の観光 |
69.8% |
日本のお酒を飲むこと |
48.6% |
日本食の提供や文化体験ができるプログラム、街歩きまたは自然を楽しむツアーなどを組み込んだプランを用意することで、付加価値を創出できます。
出典:国土交通省『訪日外国人の消費動向 2024年4-6月期 報告書』
③WebサイトやSNSの強化
WebサイトやSNSを利用してホテル・旅館の魅力を発信したり、外国人旅行者が役立つ情報を記載したりすることも重要です。宿泊先を探している外国人旅行者の目にとまることで、興味を持ってもらい予約を促せる効果が期待できます。
▼施策例
● 外国語による検索エンジンの対策を行う
● リスティング広告を出稿する
● 公式Webサイトに掲載する画像や設備・周辺情報を充実させる
● SNSで客室・共用部・食事などの写真・動画を配信する
● SNSの投稿から公式Webサイトにアクセスする導線をつくる など
国土交通省の『訪日外国人の消費動向 2024年4-6月期 報告書』によると、日本への旅行前に役立った情報源として“動画サイト(37.6%)”と“SNS(35.8%)”の回答者が多い結果となっており、活用の効果が期待されます。
出典:国土交通省『訪日外国人の消費動向 2024年4-6月期 報告書』
④キャッシュレス決済システムの導入
外国人旅行者の利便性を高めるには、キャッシュレス決済システムの導入が欠かせません。[6] 日本におけるキャッシュレス決済比率は年々増加していますが、全体としては30%程度にとどまっています。これに対して海外の主要各国では40~60%と普及が進んでいます。
▼世界各国のキャッシュレス比率比較
ホテル・旅館の宿泊予約や滞在中の支払い方法にキャッシュレス決済を加えると、外国人旅行者のニーズに対応することが可能です。国内外で用いられている一般的なキャッシュレス決済の方法には、以下が挙げられます。
▼キャッシュレス決済の方法
● クレジットカード
● デビットカード
● 電子マネー
● バーコード決済
● オンライン決済サービス など
出典:経済産業省『キャッシュレス将来像の検討会』
⑤宿泊予約サイトの見直し
宿泊予約サイトの情報は、外国人旅行者にとって分かりやすく掲載する必要があります。[4] ホテル・旅館に関する詳細な情報のほか、観光や買い物に役立つ情報を掲載すると、比較検討がしやすくなり予約につながる可能性があります。
▼宿泊予約サイトに掲載する際のポイント
● ホテル・旅館の魅力が最大限に伝わる写真を1枚目に設定する
● 客室タイプごとの写真を複数枚掲載する
● 強みとなるサービスについて詳細な説明文・写真を掲載する
● 宿泊客の口コミに返信を行う
⑥無料Wi-Fiの設置
ホテル・旅館の共有スペースや各客室では、無料Wi-Fiを整備することが望ましいといえます。外国人旅行者は、滞在中に観光地やショップ、公共交通機関などのさまざまな情報を調べます。
無料Wi-Fiを整備しておくと、外国人旅行者が必要な情報をすぐに調べられるようになり利便性の向上につながります。
⑦フロントや案内書類の多言語対応
外国人旅行者が安心かつ快適に過ごせる環境を整えるには、多言語対応にすることも重要です。
外国人旅行者にとって「宿泊施設のスタッフとのコミュニケーションがとれない」「多言語表示が少ない・分かりにくい」ことは、旅行中のストレスや不安につながると考えられます。
多言語対応によって言葉の壁による問題を解消することで、快適に滞在できるようになり宿泊客の満足度向上につながります。
▼多言語対応の施策例
● パンフレットや案内看板は主要な言語で表記する
● 多言語を選択できる自動チェックイン機や館内案内サイネージを設置する
● フロントの窓口に多言語通訳サービスを導入する など
まとめ
この記事では、インバウンド対策について以下の内容を解説しました。
● ホテル・旅館でインバウンド対策が必要とされる理由
● 取り入れたいインバウンド対策7選
ホテル・旅館でインバウンド対策を強化するには、幅広い媒体で魅力を発信するとともに、快適かつ特別な宿泊体験を提供できるプランやサービスを提供することがポイントとなります。
なかでも滞在中の快適性を左右しやすいのが、母国語でのコミュニケーションがとれるかという点です。特にフロントでは、チェックイン・チェックアウトや周辺案内、問い合わせ対応などを行うことから、多言語対応が求められます。
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