市役所・区役所での外国人対応をよりスムーズにするには

日本国内の在留外国人の数が年々増えつつあります。外国人が日本に住む場合も、日本人と同じように市役所や区役所などの自治体窓口でさまざまな手続きを行う必要があります。

その際、外国人への対応がスムーズに行えなかったり、ミスコミュニケーションが発生したりなど、外国人への対応強化が課題とされています。

この記事では、現在の市役所における外国人対応の状況や、外国人対応の難しさと対策について詳しく解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.市役所・区役所における外国人対応の現状
  2. 2.市役所での外国人対応の難しさ
    1. 2.1.通訳の人員不足
    2. 2.2.機械翻訳や翻訳アプリの限界
    3. 2.3.簡単な日本語での対応が求められる
  3. 3.市役所の外国人対応を強化するための対策
    1. 3.1.多言語通訳が可能なサービスの導入
    2. 3.2.自治体窓口DXの推進
    3. 3.3.地域特性に合わせた外国語で対応が可能な窓口の設置
  4. 4.まとめ

市役所・区役所における外国人対応の現状

市役所・区役所は在留外国人対応のために、外国語表記の資料提供や通訳スタッフの配置などさまざまな対策を進めています。しかし、地域によってその対策にばらつきがあるのが現状です。

出入国管理庁の資料『令和5年末現在における在留外国人数について』によると、日本に住む在留外国人は年々増加傾向にあります。在留外国人の数は、2012年末の約203万人からコロナ前の2019年末までに約293万人まで増えました。コロナ禍では減少が見られたものの、2023年末のデータでは約341万人となり過去最高を記録しました。

令和5年末の在留外国人数は、341万992人(前年末比33万5,779人、10.9%増)で過去最高を更新

引用元:出入国在留管理庁『令和5年末現在における在留外国人数について

▼在留外国人数の推移


画像引用元:出入国管理庁『在留外国人の推移

在留外国人が増えたことにより、市役所・区役所の窓口では外国人に対応する機会も増加しています。在留カードの取得や更新、社会保険や税金に関する届出といった各種手続き対応のほかに、自治体や社会生活におけるルールを理解してもらうための情報提供など、その役割は多岐にわたります。

また、在留外国人の国籍はさまざまで日本語を話せない方も多いため、窓口では多言語でのコミュニケーションが求められます。しかし、在留外国人の割合が少ない地域では人員不足や費用面の問題から、市役所・区役所における多言語対応が進まず、大きな課題となっています。

出典:出入国在留管理庁『令和5年末現在における在留外国人数について』『【令和5年末】公表資料 「在留外国人数の推移」


市役所での外国人対応の難しさ

市役所の窓口では各種手続きや相談などで窓口を訪れる外国人が多く存在します。

日本語が母語でない方に対応するためには、相手の伝えたいことをくみ取り、相談内容への返答を伝えるためのコミュニケーションが必要です。しかし、現在の市役所窓口では来庁する外国人とのコミュニケーションをスムーズにとることが難しいという問題が発生しています。

ここからは、市役所に訪れる外国人の対応での課題や難しさについて解説します。

通訳の人員不足

市役所での外国人対応は通訳スタッフの人員不足が大きな課題となっています。

市役所での手続きは、目的や内容によって対応する部署が異なるため、在留外国人が利用するであろう各部署ごとに、通訳スタッフの配置が必要です。

また、在留外国人は英語以外を母語とする方も多く、それぞれの言語に対応できる人員を配置しなければなりません。実際に、英語以外の言語を母語とする住民の割合が高い地域では、その言語を堪能に使えるスタッフを配置するといった対策を行っている市役所も存在します。

しかし、常時多言語に対応するために人員を配置するには、人材の確保も難しく、人件費の観点からも現実的ではありません。

機械翻訳や翻訳アプリの限界

通訳スタッフを配置できない場合には、スマートフォンの翻訳アプリや機械翻訳ツールを使用した対応も可能です。しかし、一般的に普及している翻訳アプリは、ほとんどの場合元の言葉を直訳した内容の翻訳結果しか知ることができません。

相手の言いたい真意を理解することが難しいことに加え、行政手続きに関する専門的な知識や語彙の翻訳はうまくいかないことも起こり得ます。行政手続きに関わる専門用語などを学習できない翻訳ツールの使用には、常にミスコミュニケーションが起こる可能性があることを理解しておく必要があります。

簡単な日本語での対応が求められる

日本語で日常的な会話ができる在留外国人も多くいます。しかし、母語が日本語ではない人にとって、行政手続きに関する専門的な内容を日本語で理解することは非常に困難です。いつもどおりの対応で理解が難しい相手には、専門的な用語や難しい言葉を分かりやすい言葉に言い換えて伝えるといった配慮が求められます。

簡単で分かりやすい日本語への言い換えは、日頃から慣れていない場合スムーズに対応するのは難しいかもしれません。

「どの言葉が外国人にとって理解しにくいのか」「どの言葉に言い換えれば伝わりやすいか」などを事前に考え準備しておくといった対策が必要です。


市役所の外国人対応を強化するための対策

市役所での行政手続きには、申請書の必要事項を手書きで行う必要があったり、英語以外の案内が不足していたり、外国人にとって難しいことがたくさんあります。

さまざまな目的のもと多くの外国人が来庁するなか、常にスムーズな対応ができるよう対策が必要です。

ここからは、市役所を訪れる外国人に対し、効率的かつ快適な対応をするためにできる対策について解説します。

多言語通訳が可能なサービスの導入

タブレット端末や専用ディスプレイを使った音声認識・機械通訳・AI通訳の導入による対策も、対応強化に有効です。

▼多言語通訳サービスでできること

  • AIによる機械通訳
  • ビデオ電話による通訳
  • 音声認識・音声筆談

自治体や医療現場などで導入される通訳サービスには、行政手続きの専門的な語彙や解説を追加できるオプションも備えているため、外国人とのコミュニケーションをスムーズにすすめることができます。一般的な翻訳アプリと比べ、専門性が高くより分かりやすい内容で通訳が可能です。

また、音声認識により話す言葉が文字として表示されるため、口頭によるミスコミュニケーションの発生が抑えられるのも強みです。

このようなサービスを使いこなすことにより、通訳スタッフに頼ることなく対応を進められるようになります。

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自治体窓口DXの推進

デジタル庁が推進する『自治体窓口DX(書かないワンストップ窓口)』への積極的な取り組みも、外国人対応の強化につながります。

▼自治体窓口DXでできること

  • オンライン手続きの対応
  • 各種申請書類のデジタル化
  • 資料や書類の多言語対応
  • マイナンバーカードの活用 

DXが進むことにより、自治体窓口で行うさまざまな手続きをオンラインやデジタルで完了できるようになることが期待できます。

例えば、手書きで日本語の書類記入が難しい人もデジタル入力であれば、読みやすく間違いのない文字を書くことが可能です。これにより、窓口職員の書類確認をスムーズに行えるようになります。

また、オンライン上で各種手続きができるようになれば、事前に内容の把握や記入が可能になり、窓口での待ち時間削減や市職員の負担軽減とさまざまな効果が期待できます。 

自治体DXから地域社会DXへ

地域特性に合わせた外国語で対応が可能な窓口の設置

地域によって在留外国人のなかでも、どの言語話者であるかの割合は異なります。その地域ごとに話者の多い言語に対する対策を行うことも必要です。

▼地域特性に合わせた対策

  • その地域で使用率の高い言語の通訳スタッフ・通訳ツールを配置、翻訳資料の提供、案内の表示などを行う
  • 外国人の交流場所や相談場所の設置
  • 市役所以外に相談可能な窓口を設置

地域ごとにどの言語を使う人が多いのかという割合が分かれば、その言語の通訳スタッフや通訳ツールの配置、翻訳した資料の提供などの対応が可能です。

例えば、ブラジル人が多く住む自治体では、ポルトガル語での対応が可能なスタッフを増やすといったニーズに合わせた対策が求められます。

また、在留外国人のなかには、地域コミュニティに接する機会がなく孤独に感じている方も少なくありません。母国ではない国で友人や知り合いを作ることができる場所やいつでも相談できる場所があると安心して生活できます。

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まとめ

この記事では、市役所での外国人対応について以下の内容を解説しました。

  • 市役所での外国人対応の現状
  • 市役所での外国人対応の難しさ
  • 市役所での外国人対応を強化するための対策

 
日本に在留外国人が増えている今、多言語コミュニケーションの難しさは市役所での対応課題です。外国人が市役所でスムーズに手続きを行うためにも、通訳スタッフの配置以外の対策を講じることが重要です。主な対策として、地域特性に合った言語への対応、自治体窓口DXの推進、多言語通訳サービスの導入などがあります。
 
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