ホテルはホスピタリティが大切! 宿泊体験に新たな価値を生み出すには
ホテル業界において、宿泊客の満足度に結びつく重要な要素の一つとして“ホスピタリティ”があります。快適で居心地のよい宿泊体験ができるようにきめ細かな心配りを行うことで、「また来たい」と思ってもらえる魅力的なホテルとなり、付加価値の向上につながります。
特に近年では、インバウンドの拡大によって訪日外国人の宿泊者数が増加しています。ホテルで安心かつ快適な滞在を提供するには、言語や文化などの違いに配慮することも欠かせません。
この記事では、ホテルでホスピタリティが重要視される理由や宿泊客の満足度を高める取り組み、ホスピタリティを向上させるポイントについて解説します。
なお、ホテルで採用されている通訳サービスについては、こちらの資料で紹介しております。併せてご確認ください。
ホスピタリティとは
ホスピタリティとは、“歓待の精神”や“心のあるおもてなし”を指します。ホテル業界においては、宿泊客を歓迎する姿勢を持ち、快適に過ごしてもらえるように相手の気持ちを汲み取った心配りをするという意味で用いられています。
混同されやすい言葉に“サービス”が挙げられますが、ホスピタリティとは考え方に違いがあります。
▼ホテルにおけるホスピタリティとサービスの違い
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ホスピタリティ |
サービス |
目的 |
付加価値の創出やファン化 |
満足度の向上 |
提供価値 |
宿泊客に居心地のよい滞在環境や体験価値を提供する |
宿泊客のニーズに対して迅速かつ的確な対応を行う |
対応方法 |
宿泊客一人ひとりの状況に応じて個別に対応する |
すべての宿泊客に対して平等・画一的に対応する |
対価の考え方 |
対価を求めない |
対価を求める |
サービスは、すべての宿泊客に対して平等かつ画一的な対応を役務として提供することを指します。宿泊客の要望を踏まえたサービスを迅速に提供することは、満足度に直結すると考えられます。
一方のホスピタリティは、宿泊客に「喜んでほしい」「居心地よく過ごして欲しい」といった感情や体験を大切にしていることが特徴です。マニュアルで定められた業務を役務としてこなすのではなく、一人ひとりに寄り添った対応によって期待を超える体験価値を提供することに意義があります。
ホテルでホスピタリティが重要視される理由
ホスピタリティは、ホテルの新たな付加価値を創出するうえで重要な要素といえます。その理由として、以下の3つが挙げられます。
▼ホスピタリティが重要視される理由
- 歓迎の姿勢を示す
- 魅力的な宿泊体験を提供する
- 宿泊客と良好な関係性を築く
宿泊客を出迎える際に、必要な手続きや説明を済ませるだけでは、事務的な印象を与えてしまうかもしれません。相手の状況を踏まえて気の利いた行動や気持ちに寄り添った声かけを行うことで、歓迎の姿勢を示せるようになります。
また、宿泊客の期待を超える対応をすることは、感動・信頼・愛着といったポジティブな感情を生み出し、宿泊体験がより特別なものになります。「相手を大切にしている」という気持ちを行動・言葉で示すことにより、心の距離を縮めて良好な関係性を築く効果もあります。
ホスピタリティを意識したホテルの取り組み
ホテルで実践できるホスピタリティを意識した取り組みには、快適な滞在を提供するための空間づくりや相手に気持ちが伝わる接客などが挙げられます。
快適な滞在のための空間づくり
ホテルの客室や併設されたレストランなどの空間づくりにおいて、快適な滞在を提供できるように宿泊客に合わせたおもてなしを行う取り組みがあります。
「どのような目的で宿泊するのか」「どのような人が滞在するのか」を把握して、快適に過ごしてもらえる設備を整えたり、歓迎の気持ちを示す演出を行ったりするアイデアがあります。
▼ホスピタリティを意識した空間づくりの例
● 宿泊目的を踏まえて手書きのウェルカムカードを設置する
● 子どもがいる宿泊客の客室にお菓子やおもちゃを用意する
● 好みに合わせて寝具やアメニティを選べるようにする など
驚きや感動を生むサービスの提供
特別なサービスの提供を通じて、おもてなしをする方法があります。宿泊客の目線になり「どのような対応を喜んでもらえるか」「困りごとはないか」などを汲み取って行動につなげることで、驚きや感動が生まれて心にも残りやすくなります。
▼驚きや感動を生むサービスの例
● 誕生日・結婚記念日に花束やケーキ、シャンパンなどをプレゼントする
● 目的の場所までのアクセス方法や交通機関の時刻表を印刷する
● 宗教やアレルギーに配慮した食事メニューを用意する など
接客での心配り
ホテルのフロントスタッフ・客室スタッフが接客を行う際には、宿泊客の状況や気持ちに配慮した言葉をかけることも大切です。
宿泊客と対面で接する機会を生かして、心を込めた言葉をかけたり、気軽な会話を交わしたりすることで良好な関係性を構築でき、ホテルへの信頼や愛着の醸成につながります。
▼接客における心配りの例
● 子どもや高齢者がいる場合に何か必要なサポートはないかヒアリングする
● 雨天時や到着予定時刻から遅れた場合に、相手を心配する言葉をかける
● チェックイン・チェックアウトの際に会話を交わして和やかな雰囲気をつくる など
ホテルのホスピタリティを向上させるポイント
ホテルのホスピタリティを向上させるには、スタッフの意識を高めるとともに、現場の負担を軽減しておもてなしができる環境を整えることが重要です。
➀スタッフの研修を実施する
スタッフに対する研修を実施して、ホスピタリティの考え方や意識を身につけてもらうことがポイントです。
ホスピタリティの意識を持って接客やサービスの提供を行うには、スタッフ一人ひとりが相手を思いやる精神を身につける必要があります。
日ごろから研修を実施することで、業務マニュアルの枠を超えてスタッフが自発的に心配りを行う意識や組織風土が醸成されると期待できます。
②効率化を促進して付加価値業務に時間を当てる
ホスピタリティを持って宿泊客への対応を行うには、現場の業務を効率化することも重要といえます。
現場が忙しく余裕がない状態では、スタッフの対応にゆとりが無くなり、業務マニュアルに定められたサービスを提供するだけで精一杯となってしまいます。
定型的な業務を効率化して、スタッフが付加価値の高い業務に時間を当てられるようにすることで、宿泊客に喜んでもらえるきめ細かな対応を目指せます。
▼現場業務の効率化を図る例
● 予約管理や顧客情報を一元管理できるシステムを導入する
● 業務アプリケーションを導入して進捗チェックや報告を行う
● 客室や設備のチェックシートを電子化する など
③多言語対応でコミュニケーションの壁をなくす
訪日外国人の宿泊客に対して心のこもったおもてなしを行うには、多言語対応でコミュニケーションを取ることが重要です。
言葉の壁を越えて円滑にコミュニケーションを取れるようになると、困りごとを聞き出したり、気の利いた言葉をかけたりしやすくなり、ホスピタリティを意識した接客を実現できます。
コニカミノルタでは、AI機械翻訳とオペレーターによるビデオ通訳の機能が備わったハイブリッド通訳サービス『KOTOBAL(コトバル)』を提供しています。32ヵ国の多言語通訳に加えて音声筆談、手話通訳をタブレット1台で利用できるため、訪日外国人の宿泊客とのコミュニケーションを円滑にします。
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ホテルの導入事例
まとめ
この記事では、ホテルのホスピタリティについて以下の内容を解説しました。
● ホスピタリティの意味
● ホテルでホスピタリティが重要視される理由
● ホスピタリティを意識したホテルの取り組み
● ホテルのホスピタリティを向上させるポイント
宿泊客が快適に過ごせる空間をつくり、付加価値のある宿泊体験を提供するには、ホスピタリティの向上がカギとなります。特に訪日外国人の宿泊客については、言葉の壁によってうまく声かけやコミュニケーションを行えないこともあります。
多言語対応ができる通訳サービスを導入することで、フロントスタッフや客室スタッフによる接客が円滑になり、心のこもったおもてなしを行えます。
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リアルタイム通訳
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