窓口での筆談とは?対応の流れと伝わりやすくするポイント

窓口での筆談とは?対応の流れと伝わりやすくするポイント

【この記事でわかること】

  • 窓口で筆談が必要になる場面
  • 筆談を始める前に確認すること
  • 紙、ホワイトボード、タブレットの使い分け
  • 手話や多言語通訳へ切り替える目安


役所や公共施設の窓口では、聞こえにくい方や声を出しにくい方などから、文字でのやり取りを希望されることがあります。筆談は紙とペンだけでなく、筆談ボードやタブレットへの文字入力、話した内容を文字で表示する方法など、複数の手段があります。

内閣府の「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」では、意思疎通に関する合理的配慮の例として、筆談、読み上げ、手話などが挙げられています。必要な方法は一人ひとり異なるため、窓口側で方法を決めつけず、本人が使いやすい伝え方を確認することが大切です。

この記事では、窓口で筆談を始めるときの確認事項、伝わりやすい書き方、紙やタブレットなどの使い分け、手話や多言語通訳へ切り替える目安を整理します。

参考:内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」


窓口で筆談が必要になる場面

窓口での筆談は、対面での説明だけに使うものではありません。受付、手続きの説明、呼び出し、別の窓口への案内など、音声だけでは情報を受け取りにくい場面で利用します。


聞こえにくい利用者との手続き

申請書の記入、必要書類の案内、手続きの順番などは、聞き間違いによって次の行動が変わる情報です。職員が要点を書き、申請書の該当欄や案内資料を指し示すと、利用者はどこを確認すればよいか判断しやすくなります。

補聴器を使っていても、すべての言葉を聞き取れるとは限りません。口頭で返答があった場合も「聞こえているはず」と決めつけず、文字での確認を続けるか本人へたずねましょう。


声を出しにくい利用者との意思確認

聞くことはできても、発声しにくい事情があり、文字で返答したい方もいます。その場合は職員が質問を書き、紙や端末へ入力してもらいながら、氏名、用件、希望する手続きを順番に確認できます。

質問は、「はい」「いいえ」だけで答えるものに偏っていないでしょうか。選択肢を示す質問と、自由に書いてもらう質問を使い分けましょう。記入に時間がかかっても、職員が答えを先回りして決めないことが大切です。


呼び出しと窓口間の移動

呼び出し番号を音声だけで案内していると、順番が来たことに気づけない場合があります。番号の画面表示に加え、職員が本人の近くまで行って知らせる方法も決めておきましょう。

手続きの途中で別の窓口へ移る場合は、次の窓口名、場所、担当者、持っていく書類を文字で示しましょう。筆談は窓口で向かい合っている時間だけのものではありません。受付から手続きの終了まで、必要な情報を受け取れる流れになっているかを確認する必要があります。


窓口での筆談の進め方

文字を書き始める前に、本人が希望する方法を確認し、これから確認する内容を整理します。一方的に説明を書き続けず、短いやり取りを重ねましょう。


希望する伝え方の確認

最初に「筆談でよいですか」「手話での対応を希望しますか」など、使いやすい方法を確認しましょう。本人が口話、手話、身振り、端末への入力など別の方法を希望する場合は、その希望を優先します。

筆談を始めた後に、文字が読みづらい、書くのが難しいと分かることもあります。一度選んだ方法に固定せず、途中でも別の方法へ切り替えられることを伝えておきましょう。


一つの文に一つの情報を入れる

一度に多くの情報を書くと、どの内容への返答が必要なのか分かりにくくなります。「今日は住所変更の手続きです」「必要な書類は2点です」のように、一つの文で一つの情報を伝えましょう。

省略語や窓口内だけで使う呼び方は避け、制度名や書類名は正式名称で書きます。難しい言葉が必要な場合は、案内資料の該当箇所を示しながら、普段の言葉で意味を補いましょう。


氏名・日付・必要書類の照合

氏名、住所、日付、金額、番号などは、書き間違いが起きると手続きに影響します。筆談した文字だけで確定せず、申請書や本人確認書類と照らし合わせましょう。

手続きの最後には、受け付けた内容、追加で必要な書類、次回来庁が必要な場合はその日程、問い合わせ先をまとめて示します。利用者が確認できるよう、重要な情報は消さずに渡せる紙や案内資料へ残しましょう。


本人に合わせた文字の大きさと書き方

読みやすい文字の大きさや表記は人によって異なります。細い文字や小さな文字が見えにくい方には、大きな用紙と太いペンを使いましょう。漢字が多い文章を読みづらい方には、短い文へ分け、必要に応じて平易な言葉へ言い換えます。

書いた内容を職員側だけへ向けたままにせず、本人が読みやすい位置へ置きましょう。タブレットも、職員と利用者の双方が画面を見られ、書類の受け渡しを妨げない位置に置きます。


返答を急がせない時間の確保

筆談は、話すよりも書く時間が必要です。職員が次の質問を書き始める前に、利用者が読み終わり、返答を書き終えたかを確認しましょう。

時間を短くするために説明を省くと、必要な条件や選択肢が伝わらない場合があります。文章は簡潔にしながらも、手続きの判断に必要な情報は省かないようにします。


窓口の筆談で使える道具

紙とペン、ホワイトボード、タブレットには、それぞれ向いている場面があります。一つの道具だけに決めず、本人の希望と情報の内容に合わせて選びましょう。


道具
向いている場面
確認したい点
紙と筆記具
氏名や日付、持ち物などを残して渡す案内
個人情報を含む紙の回収・保管方法
ホワイトボード
短い質問と回答を繰り返す受付
文字の大きさ、消す前の確認
コミュニケーションボード
用件や希望を絵・記号・文字から選ぶ場面
窓口業務に合う選択肢があるか
タブレット
画面への入力、文字の表示、通訳への切り替え
画面の見やすさ、操作の手順、代わりの方法



紙と筆記具

紙は、特別な機器を使わずに始められ、案内した内容を本人へ渡せる方法です。窓口には、太さの異なるペンと十分な大きさの用紙を用意しましょう。政府広報では、弱視のある方が細いペンや小さな文字を読みづらい場合、太いペンで大きな文字を書く対応が合理的配慮の例として示されています。

一方で、相談内容や個人情報を書いた紙を机の上へ残すと、ほかの利用者の目に入るおそれがあります。本人へ渡す紙と回収する紙を分け、不要になった紙をどのように処理するか決めておきましょう。

参考:政府広報オンライン「事業者による障害のある人への『合理的配慮の提供』が義務化」


ホワイトボードとコミュニケーションボード

ホワイトボードは、短い質問と回答を繰り返す受付に向いています。書いた内容を消す前に、返答が終わったか、記録として残す必要がないかを確認しましょう。

コミュニケーションボードは、用件や希望を絵、記号、文字から選べる道具です。ただし、用意された選択肢だけで本人の意思を決めないようにします。該当する項目がない場合に自由に書ける欄や、別の方法へ切り替える手順も用意しましょう。


タブレットへの入力と音声の文字化

タブレット上のアプリやサービスには、画面へ文字を入力するほか、職員が話した内容を文字に変えて表示できるものもありますが、表示された文字が必ず正しいとは限りません。

窓口の周囲が騒がしい場合や、制度名・固有名詞を使う場合は、認識結果に誤りが出ることがあります。氏名や日付などは申請書と照合し、誤りが続くときは画面への入力や紙へ切り替えましょう。


筆談とは別の方法へ切り替える目安

筆談を続けても必要事項を確認できない場合や、本人が別の方法を希望する場合は、希望をあらためて確認したうえで、手話や多言語通訳などへ切り替えます。


手話を希望する利用者への手話通訳

聴覚に障害のある方が全員、筆談を希望するわけではありません。手話を主な言語としている方には、手話で応対できる窓口や通訳者との接続方法を案内しましょう。

筆談で難しい文章を繰り返すのではなく、本人が手話でのやり取りを希望した時点で切り替えられる手順が必要です。通訳者へつなぐまでの待ち時間と、その間の案内方法も決めておきましょう。


外国語での相談に必要な多言語通訳

筆談は言葉を別の言語へ訳す方法ではないため、外国語で手続きの内容を伝える必要がある場合は、多言語で対応できる職員、機械通訳、遠隔通訳など、その窓口で利用できる方法から選びます。

KOTOBALを使う場合は相談の内容に応じて機械通訳と遠隔通訳を使い分けられ、すでに確認した氏名、用件、書類を通訳者に共有すると、同じ質問を一から繰り返さずに済みます。


紙や端末を使いにくい場合の別の伝え方

手を動かしにくい方、文字を読みづらい方、端末の画面を見づらい方には、筆談とは別の方法が必要です。本人の希望を聞き、口話、身振り、コミュニケーションボード、手話などから選びましょう。

障害名や見た目だけで方法を決めず、「どの方法なら伝えやすいですか」と確認することが出発点です。


導入前にそろえる窓口の手順

道具を設置するだけでは、担当する職員によって対応が変わります。どこに保管するか、いつ使い始めるか、別の方法へどう切り替えるか、対応後に何を記録するかを一つの流れにしましょう。


窓口で迷わない役割分担と操作の手順

端末の起動、画面の確認、通訳への接続を誰が担うかは、窓口ごとの人員配置や権限に応じて決めます。窓口担当者が一連の操作を担える体制なら、その範囲を手順書に明記しましょう。管理担当者への引き継ぎが必要な操作は、担当者と連絡方法も決めておきます。

短い手順書には、次の項目を入れましょう。

  • 筆談用具と端末を保管する場所
  • 本人の希望を確認する言葉
  • 紙、画面への入力、手話での対応などの切り替え先
  • 困ったときの連絡先
  • 個人情報を含む紙の処理や、画面表示・履歴を扱う手順


実際の窓口を再現した試行

導入前には、静かな会議室だけでなく、隣の窓口でも会話が続いている状態で試しましょう。職員と利用者の双方から画面や文字が見えるか、書類を置く場所が残るか、呼び出しから手続き終了まで案内が続くかを確かめます。

端末が使えない場合に備え、紙と筆記具も残しておきましょう。通信や機器の不具合があっても、別の方法ですぐに案内を続けられる状態が必要です。


対応後の記録と見直し

次の職員が利用者へ同じ説明を求めずに済むよう、対応方法、確認した内容、追加で必要な確認、引き継ぎ先を記録しましょう。

見直すときは、筆談の利用件数だけで判断しません。文字を大きく書き直した場面、紙から端末へ切り替えた場面、手話での対応を手配した場面などを確認すると、用具や手順を改善すべき箇所が分かります。


筆談できることを窓口で示す

窓口に筆談用具を用意していても、利用者から見て筆談に対応できることが分からなければ、申し出にくい場合があります。内閣府が紹介する「筆談マーク」は、利用者が筆談によるコミュニケーションを希望するときに提示できるほか、窓口側が「筆談で対応します」と示す用途にも使われています。

筆談用具の保管場所だけでなく、利用できる伝え方をどこに表示するかも、窓口の運用として決めておきましょう。

参考:内閣府「障害者に関係するマークの一例」


KOTOBALで支える窓口の筆談と通訳

私たちKOTOBALは、自治体の窓口で、文字によるやり取り、手話通訳、機械通訳、遠隔通訳を一台のタブレットから利用できるサービスを提供しています。本人の希望と相談内容に応じて、必要な方法を選べます。




話した内容を画面へ表示する機能

KOTOBALでは、職員が話した日本語を文字にして画面へ表示する機能を「音声筆談」と呼んでいます。透明ディスプレイを使えば、職員と利用者が互いの表情を見ながら、表示された文字を確認できます。

画面への表示だけで内容を確定せず、氏名、日付、制度名などは書類と照合しましょう。利用者が手書きや手話を希望する場合は、希望する方法へ切り替えます。


相談内容に応じた通訳方法

外国語の短い案内には機械通訳、背景事情を詳しく聞く相談には遠隔通訳、手話を希望する方には通訳者による手話対応というように、窓口の状況に合わせて方法を選べます。

対応言語や窓口での使い方は、自治体・行政機関向け多言語通訳・筆談サービスをご覧ください。


KOTOBALは、
このような場面で活躍しています
ホテル

チェックインや観光案内もスムーズ。KOTOBALがホテルの接客品質を支えます。

自治体・行政機関

住民票・給付金・各種手続きにも対応。KOTOBALなら通訳の手配は不要です。

教育現場

外国籍家庭との面談や学校からの連絡にも。KOTOBALが言葉の壁を支援します。

レンタカー

受付・契約・保険説明まで、KOTOBALが言語の不安をなくします。

KOTOBAL運営事務局
KOTOBAL運営事務局
KOTOBALは、32言語に対応している「機械(AI)」と「ヒト」の通訳が選べるハイブリット型通訳サービスです。 皆さんの為に、有益な情報をブログを通して提供しております!