同ホテルでは、すでに数年前からテレビインフォメーションシステムやカードキー連携など、宿泊者向けDX施策を積極的に推進してきている。そうした取組みを進めるなかで、「現場スタッフのために何か貢献できることはないか」という視点から検討を重ねた結果、浮上したのが多様化する外国人ゲストへの多言語コミュニケーション支援だった。
「海外のお客様には、どうしても言葉の壁があり、私どもがめざす120点の接客サービスが十分にできていないのではないかと感じていました」
そう語るのは、管理部管理課(施設管理・情報通信)統括支配人の平嶋和幸氏だ。大阪・関西万博によるインバウンド増加を見据え、「英語圏以外のお客様にも臆せず接客できる環境をつくりたかった」と振り返る。
実際に大阪・関西万博の開幕後には、宿泊客の国籍や文化的背景はさらに多様化した。中国、韓国、台湾に加え、ヨーロッパ、南米、東南アジアなど世界各国からのゲストが急激に増加。さらに、コロナ禍以降は団体旅行から個人旅行へシフトし、ガイドを介さずスタッフが直接対応する場面も急増した。
KOTOBAL導入前は、翻訳サイトを開いて一文ずつ入力して対応したり、紙に印刷して見せるなど、現場の負担は大きかったという。
26年7月時点では、フロントとゲストリレーションズには透明ディスプレイを設置し、KOTOBALを接続。レストランでは持ち運びしやすいタブレット端末でKOTOBALを運用。チェックインだけでなく、クレーム対応や体調不良時の病名や持病のヒアリングなど、より複雑なコミュニケーションにも活用している。
